札幌 歯周病・予防歯科 | 歯周病専門医・指導医の山崎 英彦 院長ブログ 2021年6月
失った歯の数と動脈硬化は強く関連する―疫学調査で証明 京都大学
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
京都大学 の研究グループは、2007年から2010年に滋賀県長浜市で行った、市民を対象とした大規模な疫学調査で得られた約10,000人の情報を用い、失った歯の数と動脈硬化度に有意な関連があることを証明しました。
動脈硬化が原因となって発症する病気で亡くなる人は非常に多く、また助かっても脳梗塞や心筋梗塞などの後遺症によるリハビリや介護など、医療費の増大が大きな社会問題となっています。
近年、歯周病をはじめとした口の中の炎症が動脈硬化と関係していることが報告されており、口の中の病気の予防が動脈硬化に関わる死亡のリスクを下げる方法の一つとなる可能性があります。
しかし、本当に関連しているかどうか、また日本人の場合はどうかなど、まだ明らかにされていないことが多いのが現状です。
そこで本研究グループは、失っている歯の数と動脈硬化の程度が関連しているかを調査しました。
その結果、失った歯の数と動脈硬化度に有意な関連があることが分かりました。
また、女性に比べると男性でその傾向が強いことも明らかになりました。
歯周病など口の中の病気は、予防効果が非常に高いことで知られており、歯科医院での定期的なメンテナンスや歯の清掃指導などで失う歯の数を減らすことができます。
口の中の病気の予防や治療は、口の中の状態を改善させるだけでなく、動脈硬化症を予防するためにもよい影響がある可能性が考えられます。
近年、口の中の病気は動脈硬化だけでなく、糖尿病、呼吸器疾患、低出生体重児、リウマチなどさまざまな病気に関連していることが報告されています。
本研究により、口の中の病気の予防は、それらの疾患の予防につながる可能性があることが改めて示されました。
ながはま0次予防コホート事業によって、それらの関係をさらに明らかにしていこうと考えています。
口の中の病気の予防は、他の病気に比べて予防しやすいため、歯科医院の定期的な受診や正しい歯ブラシなど口の中の管理方法を学ぶことで、多くの疾患を予防できる可能性があります。
抜歯の後に行うブリッジ治療。メリットとデメリットとは?
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
虫歯や歯周病などにより歯を抜かなければいけなくなった時、その後の治療をどのようにしようか悩まれている方も多いのではないでしょうか?
最近ではインプラントも普及し、歯科医師に勧められることも多いと思います。
ですが、やはりインプラントは怖いという方や、お身体の状態や抜いた後の骨の状態などによりインプラントができないというケースもあります。
そのような時多くの方が選ばれるのがブリッジ治療です。
今回は、このブリッジ治療のメリット、デメリットについてお話しいたします。
歯のブリッジ治療とは
歯のブリッジは歯を抜歯した後、前後の歯を削って橋のようにつなげる方法です。
抜歯をするとそこには歯の隙間ができます。
そのままにすれば周りの歯が動いて噛み合わせが悪くなったり、抜歯した部分では噛み辛いので反対側ばかりで噛み筋肉のバランスが崩れます。
そこで残っている前後の歯を土台にして橋(ブリッジ)をかけるように、2本の歯で3本の歯を作ります。
違和感も少なく自分の歯のように噛めます。
歯のブリッジ治療のメリット
1.治療回数が少なく、早く終わらせられる
簡単な(本数の少ないブリッジ)であれば、早くて2?3回で治療を終えることができます。
複雑なブリッジでも、インプラントのように数ヶ月かかるということはありません。
2.入れた後の違和感が少ない
もともとの歯と同じような形で作れるので、入れ歯のような違和感はありません。
食事をした感じも、歯は硬いものややわらかいものを感じることができます。
ブリッジは歯を土台にしているので周りの歯と同じような感覚で食事ができます。
前後の歯に接着剤でしっかり固定されているので、虫歯になったりしない限り取れないようにできています。
3.外科的な処置が必要ない
歯のブリッジは外科的なことをしないので、糖尿病や高血圧などの人にもできる体にやさしい治療です。
ブリッジはインプラントの治療のように歯ぐきを切ったり、骨を削ったりしないので、体に病気を持っている人や、インプラント治療がこわいと思ている人にとっては安心してできる治療です。
歯のブリッジ治療のデメリット
1.両サイドの歯を削る必要がある
歯のブリッジは前後の歯を削って土台にするため、歯を削る量は多くなります。
銀歯のような劣化の早い被せ物で治療すると土台の歯が虫歯になりやすいです。
2.支えにする歯に負担がかかる
歯のブリッジは土台になっている歯が3本分の噛む負担を2本で支えなければならず、土台となる歯が弱いと割れたり、揺れてきたりすることもあります。
最悪の場合、後ろの歯にかかる負担が大きく抜かなければなくなった場合、ブリッジでやりかえることができず、入れ歯かインプラントしかなくなる場合があります。
まとめ
歯を抜歯した後どのように治療方法を選んだらいいのか迷いますよね。
インプラントにしてもブリッジにしても、それぞれメリット、デメリットがあります。
患者さん個人個人のお口の状態やお身体の状態、治療費用や治療計画、将来性などしっかりと歯科医師と相談していただいて、一番納得のいく治療方法を選んでいく必要があると思います。
気になる方は是非歯科医院でご相談ください。
早食いの人は口がクサい!? 口臭は◯◯の分泌量がカギと判明
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
毎日しっかりと歯磨きしているのになんだか口臭が気になるといった経験は誰もがあるかと思います。
接客業であったり、オフィスで同僚と向かい合わせの席だったりすると、毎日口臭チェックしている人も多いですよね。
特にデートの時は、口臭チェックを欠かさないという人もいるのではないでしょうか。
自分でチェックしても気づくことが難しく、他人の口臭は意外とよく気づくもの。自分でも気づかないうちに口臭がでているかもしれません!
そこで、口臭の原因を予防法とともにご紹介します。
■食べ物だけでない!口臭の原因は◯◯の量
口臭の原因は多々考えられますが、ニンニクやキムチなどの臭いを発する食べものを食べていなくても、何気ない習慣が口臭の原因になることがあります。
しかも食べていないことが、口臭の原因になることもあります。
その1つに“朝食を抜く”人は口臭が出やすくなります。
というのも、“唾液”は口内の雑菌の繁殖を抑える働きがあります。
寝ている時は唾液量が少ないので、朝は口臭ができやすい状態。
ですので、朝食を食べて唾液の分泌を十分に促すことが、口臭予防になります。
■つい食べてしまっている現代食は口臭が出やすい!
朝食の欠食と同じように、よく噛まずに早食いする人や口呼吸の人も唾液の分泌が減りますし、口数の少ない人も要注意です。
あまり噛まずに手軽に食べられるカレーやオムライス、ラーメンやハンバーガーなどが多い人は口臭が出やすい可能性があります。
ご飯であれば玄米、野菜であれば根菜類など、ちょっとした工夫が口臭予防につながります。
■健康状態によって口臭が発生する?
食べ物だけでなく、体調によっても口臭が発生することもあります。
例えば、“便秘症”の方。便秘により老廃物が体内に蓄積して悪臭物質が発生し、それが原因で口臭が発生しやすくなります。
また、“睡眠不足”や“ストレス”も自律神経の働きが悪くなり、唾液の分泌量が減る原因となってしまいます。
ストレスは胃腸にもダメージを与え、胃液が逆流し口臭になることもあります。
以上、口臭の原因をお伝えしましたが、いかがでしたか?
口臭は健康のバロメーターでもあります。
なぜ口臭が出ているのか自分のライフスタイルを確認することで予防ができ、より健康的な生活を送れます。
食生活に気を付けても口臭が気になる、原因が見つからないなどの場合は、一度医療機関へ行って、病気がないか検査してみてくださいね。