札幌 歯周病・予防歯科 | 歯周病専門医・指導医の山崎 英彦 院長ブログ 2021年4月
口腔癌の原因とは?その恐ろしさと初期症状を説明します
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
誰しもガンにはなりたくないですし、なってしまったとしても早期発見でしっかり治したいですよね!
ガンといっても全身様々なガンができます。
胃ガンや大腸ガン、食道ガンなどは皆さまご存知ですし、検診などでもよくチェックしていると思います。
胃や大腸、食道などは見えない場所ですが、様々な診断機器を使って検査を行っているため早期発見率も増えてきています。
そんな中、見える場所なのに早期発見率がなかなか伸びないガンがあるんです。
それが、口腔癌なんです。
口腔がんといっても、舌癌や歯肉癌、口底癌など様々あるのですが今回はまとめて口腔ガンとしてお話しさせていただきます。
口腔ガンの何が恐ろしいの?
口腔ガンは、お口の中の粘膜に出来るガンで種類としては一般的なガンが多いです。
日本では毎年約7000人が口腔ガンになっていて、そのうち約3000人が亡くなっています。
しかも、この数字は増え続けていると言われています。
この数字だけみると約半数近くの方が亡くなりかなり致死率の高い恐ろしいガンに思えますよね!
しかし、口腔ガンは早期発見すれば後遺症もほとんど残ることなく、ガンの治療経過をみる指標となる「5年生存率」も約90%とかなり治癒しやすいガンだということがわかっているんです!
ですので、とにかく早期発見が大切なんです。
何故、口腔ガンで亡くなる方は増え続けているのか?
1.お口に対する意識
もしかすると、お口にガンができるということすら知らなかった方もいるかもしれません。
虫歯にしても、やはり痛みがなければ歯医者に行かないという方も多いですよね。
身体に不調があればすぐにでも病院にいきますが、お口の問題となると生活に支障がないとなかなか歯医者には行かないものです。
会社で行われている健康診断に関しても、身体の検診は義務ですが、歯科に関しては義務化されていないですよね。
この辺りも、政策として義務化していただいて、お口にもガンができ、早期発見が大切だということを国民全体に知っていただくと、死亡率も減っていくと思います。
お住いの地域によっては、地域の歯科医師会などで、無料の口腔ガン検診を行っていますので、是非活用していただければと思います。
口腔ガンは初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどないんです
痛みや、しこりなどの自覚症状が出てきた時にはすでに進行しているケースが多く、その段階での死亡率も高くなってしまいます。
痛みが出た時には遅いと思っていただいて、早め早めに検診に行きましょう!
2.直接見えるはずなのに低い早期発見率
他のガンと違い、お口の中は直接見ることができるので早期発見しやすいはず。
しかし、実際は早期発見率は約20%しかないんです。
先ほども書きましたが、自覚症状がない、その上見た目も初期の段階では口内炎のようにしか見えないんです。
初期の段階では、ご自身で気がつくのはかなり難しいと思います。
検診や歯科に受診中に発見するというケースがほとんどです。
ご自身でわかるくらいになった時は、やはりかなり進行している状態のことが多いです。
繰り返しになりますが、早期発見のために検診には定期的に行きましょう。
そもそも口腔ガンにならないために気をつけなければいけないことは?
どれも当たり前のことなんですが、
1.タバコ、お酒は控える
2.偏食をせず、バランス良い食生活を心がける
3.歯磨き、うがいをしっかり行い、お口の中を清潔に保つ
喫煙者の口腔ガンの発生率は、タバコを吸わない人に比べて約7倍も高いと言われています。
しかも 死亡率は約4倍にもなると言われています。
さらに気をつけなければいけないのが、飲酒時の喫煙です。
普段タバコ吸わないのに、お酒飲むときだけ吸う、なんて方もいらっしゃいますよね。
飲酒時の喫煙は、タバコに含まれている発ガン性物質がアルコールによって溶けてお口の粘膜に作用するため、余計リスクが高くなると言われています。
バランスの良い食事はもちろんですし、お口の中が治していない虫歯や、磨き残しで汚れているとお口の粘膜が傷つき口腔ガンになりやすい環境になります。
最近歯医者に行っていない、お口に違和感がある、歯石を取ったことがない、歯がしみるなど症状がある方は予防的な意味も含め歯医者に受診して、悪いところは治し、クリーニングをしてお口の中を清潔に保ちましょう。それも、口腔ガン予防です。
免疫を高めることも重要です。
体の免疫を高めると、悪性腫瘍ができにくいことがわかっています。
まずは、口腔ガンにならないために、簡単ではありますが以上のことを気をつけましょう
セルフチェックとして
1.なかなか治らないしこりや腫れはないか?
2.赤くなっていたり、白くなっているところはないか?
3.2週間以上治っていない口内炎はないか?
4.合わない入れ歯を使っていないか?
5.食べ物が飲み込みにくいなどはないか?
チェックしてみて思い当たるところはありますか?
このような症状があればすぐに歯医者に受診してください。
まとめ
今回は、ちょっと怖い話になりましたが、まずはならないために生活を気をつけていただいて、何度も言いますが、必ず定期検診は行ってくださいね。
ガンで手術などになれば食事や発音など生活の質はどうしても落ちてしまいます。
健康で美味しく食事をしていくためにも、定期検診で口腔ガンもチェックしていきましょう。
ウーロン茶にはデンタルプラーク沈着抑制効果があるんんですよ
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
皆さん、食事の後にウーロン茶を飲んで、口の中がさっぱりするな、と感じたことはありませんか?
脂っこい食事にはウーロン茶があうとはよく言われますが、サントリーが、ウーロン茶の飲用がデンタルプラーク(歯垢(しこう))の沈着を抑え、虫歯(う蝕)の予防の有用な手段のひとつになることを確認しました!
ウーロン茶と虫歯に関するこれまでの研究では、ウーロン茶に含まれるポリフェノールが、虫歯原因細菌の活性を阻害し、虫歯の発生を抑制するはたらきを持つことが証明されています。
今回の実験では、実際にウーロン茶を飲むと、水と比べて、プラーク沈着抑制効果があるかを検証しました。
その結果、ウーロン茶を飲用すると、水を飲用した時と比べて、プラークの沈着が少なくなることがわかったのです!
さらに、水に比べるとウーロン茶を飲んだときの方が、歯のプラークも落ちやすくなるんだそうです。
口の中もすっきりさせてくれて、虫歯も予防してくれるなんて、まさに一石二鳥!
ぜひ皆さんも、食事のお供にウーロン茶をお楽しみください♪
大人の虫歯はこうやってできる!大人のための虫歯予防法
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
「特に痛い所もないから虫歯もないだろうし、歯医者には長らく行っていない」という方も意外に多いのではないでしょうか。
しかしこの、「痛くないから虫歯はない」という考え方、ちょっと危険です。
厚生労働省の調査によると大人の9割以上に虫歯があり、40才以上では近年増加傾向があることがわかっています。
今回はこの大人の虫歯について詳しく解説していきます。
大人の虫歯の5つの特徴
40才以上のおよそ4割の人が虫歯で歯を喪っていると言われています。
つまり、大人の虫歯は致命的になりやすいということです。
このような大人の虫歯にはどのような特徴があるのでしょうか。
1.詰め物の下から虫歯になりやすい
大人の虫歯で一番多いと言われているのが、銀歯などの詰め物やかぶせ物の下にできる虫歯です。
30代にもなるとほぼすべての人が一度は虫歯になったり、治療した経験がある、ということが厚生労働省の調査でわかっています。
この詰め物の下というのは年数が経つと接着剤の劣化などが原因で虫歯になりやすく、また虫歯ができても見えないため気づきにくいのが特徴です。
2.歯ぐきが下がって虫歯になりやすい
年齢を重ねるにつれ、加齢現象や歯周病の進行によって歯ぐきが下がり、もともと歯ぐきに隠れていた歯の根っこが露出してきます。
そしてこの根っこの部分には、歯冠(もともと歯ぐきから出ている歯の頭に相当する部分)のように、表面に強靭なエナメル質が存在しないため、虫歯になりやすいのです。
ある程度の年齢になって「これまで虫歯は1本もなかったのに初めて虫歯ができた」という場合によく見られるパターンです。
3.虫歯でも痛くない場合がある
虫歯治療で歯の神経を抜いた経験のある人も少なくないことでしょう。
神経のない歯は虫歯がどんなに深くなっても痛みを感じません。
そのため、気づかないうちに虫歯が進みすぎて歯を抜かなければならないということがあります。
4.唾液が減り虫歯になりやすい
口の中の唾液は雑菌を洗い流す役割があるため、唾液の量が減ると虫歯になるリスクが高まります。
唾液の分泌は生活習慣、ストレスなどで左右されやすく、最近大人で唾液が減少する「ドライマウス」の人が増えています。
5.親知らずが原因で虫歯ができることがある
親知らずが真っ直ぐ生えずに埋もれたままの人も多いものです。
一番怖いのは中途半端に埋もれた親知らずです。
半端に露出した部分にバイ菌が繁殖し、手前の歯に大きな虫歯を作ることがよくあります。
こんな人は要注意!大人虫歯になりやすい人の特徴
1.治療済みの歯が多い
虫歯は全部治療済みだから安心というわけではありません。
治療した歯が多い人ほど要注意です。
2.歯ぐきが下がっている
歯を磨く時ついつい力を入れてゴシゴシ磨く、歯周病が進行している人は歯ぐきが下がりがちです。
3.口の中がネバつく、乾燥している
唾液が減ると口の中がネバつく感じがします。
また、糖尿病にかかっている人も唾液の分泌が落ち、虫歯ができやすくなります。
4.間食や糖分の摂取が多い
甘いお菓子をよく食べる人は言うまでもありませんが、口さみしさによく飴を食べる、砂糖入りのコーヒーや紅茶をよく飲む、という人も要注意です。
5.よく噛まずに食べる
食事内容にやわらかいものが多く、あまり噛まないという人は唾液が十分に分泌されません。
また、やわらかいものは歯に残りやすいため虫歯になるリスクが高くなります。
6.夜アルコールを飲んで歯磨きをせずに眠ってしまう
夜に歯磨きをしないで寝るのは「どうぞ虫歯になってください」と言っているようなものです。それに加え、アルコールは利尿作用があるため、口が乾燥してしまい、余計に虫歯になりやすくなります。
7.半端に埋もれている親知らずがある
歯ぐきからちらっとのぞく親知らずのある人は要注意です。
大人の虫歯を予防する5つの対策
1.歯磨きの仕方を見直す
・1日に最低2回は磨く
・食後30分以内に磨く
・寝る前は特に丁寧に磨く
・歯と歯の間はデンタルフロスを1日に一回通す
・フッ素入りの歯磨き粉を使う
・歯の根元は念入りに、かつソフトタッチで磨く
2.糖分の摂り方に気をつける
糖分が口の中に長時間とどまらないように、時間を決めて摂るようにしましょう。
また、甘い物を食べたらお水を飲んだり口をゆすぐようにしましょう。
3.唾液を出すことを意識する
お食事に繊維質のものも取り入れてよく噛んで食べるようにしましょう。
最近はインターネットやスマホの普及により、あまり喋る機会がなくなってきていることもドライマウスの原因の一つとされています。
喋ることは唾液の分泌を促します。
また、シュガーレスやキシリトールのガムを噛んで唾液を出すのも良いでしょう。
4.歯科医院で定期的に検診・クリーニングを受ける
定期的に歯科医院で詰め物の下に虫歯がないかレントゲンで確認してもらったり、普段の歯磨きで取りきれない歯垢や歯石を取り除いてもらいましょう。
5.半端に出ている親知らずは抜く
生えきらない親知らずを放置している人はいつかトラブルが起こる可能性が高いため、できるだけ早く抜くことをおすすめします。
まとめ
大人の虫歯の特徴は「見えにくく、気づきにくい」ことです。
「自分の見える範囲で虫歯らしきものがないから大丈夫」と安心せず、定期的に歯科医院を受診し、レントゲンやプロの目で悪い所がないかをしっかりと確認してもらうことが大切です。
また、歯周病と虫歯は別物と考えられがちですが、歯周病が進むことによってできやすくなる虫歯もあります。
今回ご紹介した虫歯の予防対策法は歯周病予防にもなります。ぜひ参考にしてみてください。