メニュー

札幌 歯周病・予防歯科 | 歯周病専門医・指導医の山崎 英彦 院長ブログ 2020年9月

[2020.09.05]

歯科医に聞く。むし歯予防の常識ウソホント4つ

2020.9.26

札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。

洗口液はむし歯予防になる? 

キシリトール入り菓子は? 

なんとか工夫してむし歯を防ぎたいものですよね。

Q1.洗口液(せんこうえき)でうがいするだけでむし歯予防はできる?

洗口液によりますが、洗口液は口の中がさっぱりしたように感じるだけで、実のところ、歯磨きにはなりません。

むし歯の原因であるミュータンス菌などの細菌は、単体で口の中や歯の表面に付いているのではなく、歯垢(しこう。プラーク)という白色か黄白色のネバネバした強固なかたまりで歯に付着しています。

これらは洗口液では取り除くことはできません。 

ただ、睡眠中はだ液の分泌量が低下するので、寝る前には歯ブラシや歯間ブラシを使って、丁寧に歯磨きをすることが重要です。

その後、殺菌効果のある洗口液を使用するとより良いでしょう。

Q2.ノンシュガーのお菓子はむし歯にならない?

ノンシュガーやシュガーレスと表示されているお菓子は、全く砂糖を使っていないというわけではありません。

栄養表示基準制度で、含まれる糖類が0.5%未満のものは「ノンシュガー」、もしくは「シュガーレス」と表示することが許可されているからです。

むし歯は、口の中の細菌が、我々が飲み食いした糖分をエサに作り出した酸によって歯が溶けた状態です。

ノンシュガーと表示されていても、卵やバターの糖分が全く含まれないとは限らず、むし歯にならないとは言えません。

ただし、ガムをよく噛むことによってだ液の分泌が促されるという面では、むし歯予防に良いといえます。

砂糖不使用タイプのガムを選びましょう。

Q3.フッ素を使うと本当にむし歯予防になる?

フッ素は、口の中の細菌の活動を抑える、むし歯菌が作る酸で溶けた歯の表面のエナメル質を修復する、歯質を強化するなど、むし歯予防に有効な成分です。

現在、日本で販売されている歯磨き剤の約90%はフッ素が配合されています。

また歯科医院では、フッ素を使った洗口や塗布も行っています。

Q4.キシリトール入りのお菓子はむし歯にならない?

キシリトールとは、砂糖に近い甘味を持つ天然の甘味料です。

むし歯の原因となる歯垢や酸を作らないので、むし歯の発生や進行を防ぐ働きがあるという研究結果が発表されています。

ですが、キシリトールがむし歯を完璧に予防するわけではありません。

キシリトールとともに、細菌の栄養分になる砂糖がたくさん使われているお菓子もあり、原材料表示を確認する必要があります。

また、キシリトールガムを噛んでも砂糖いっぱいのお菓子を食べていたら意味はありません。

「最も確実なむし歯予防は、歯科医院で半年に1度は定期的なチェックを受けること」。

一日2回フッ素入り歯磨き剤で歯を磨く、お菓子は原材料を見て選ぶ、何よりだ液の力を利用してむし歯を防ぐ意識が大切だということです。

歯茎が下がってきたら要チェック!歯科医が教える「歯磨きテク」3つ

2020.9.14

札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。

歯茎が下がる原因についてお伝えします。

■1:歯垢による炎症で歯茎が下がっている場合

歯周炎とまでは行かなくても、歯肉炎で歯茎がはれてしまっている人はいませんか?

歯茎のはれ(歯肉炎)を放置していると、歯茎がやせて(下がって)しまいます。

歯茎の炎症は歯垢(プラーク)の掃除が不十分なため起きているので、歯と歯茎の境目のプラークをしっかり落とし、歯と歯茎の境目を中心に10~20往復、細かく横にこすってください。

炎症がなくなれば、自然と歯茎は回復しますので、炎症が出ている人は丁寧に歯と歯茎の境目を清掃してくださいね。

放置していれば深い歯周ポケットができて、歯周炎になってしまうかも……。

■2:ブラッシングが強過ぎるために歯茎が下がっている場合

「歯と歯茎の境目の歯垢を落とさなければ駄目」と言っても、強過ぎるブラッシングはNG。

歯並びなどの影響で歯茎の一部が他より薄くなっている場合もあるので、そうした弱い部位を強くブラッシングしてしまうと歯茎が下がってしまいます。

「どうしても力が入ってしまう」と言う人は、スタートとして、歯と歯茎の境目に歯ブラシを当て、横に往復せずに下から上、下から上と片道1方向で、ブラシを持ち上げるように磨いてください。

歯茎を傷めない磨き方を続けているうちに、自然と歯茎は戻ってくるとのことです。

一度自分のブラッシングが強過ぎるかどうか、かかりつけの歯科医師に見てもらうといいかもしれませんね。

■3:歯並びが悪くて歯茎が下がっている場合

歯並びが悪くて、1本だけ列から飛び出した歯がありませんか?

八重歯などはその典型例ですが、実はそうした前に飛び出した歯の歯茎は、他よりも一般的に薄いので、注意せずに強く歯磨きをしているとやせてしまいます。

ゴシゴシとこすらず、歯茎を傷付けないで磨いてください。

具体的な磨き方は、2番で紹介した下から上に一方向で磨く方法ですね。

それでも歯茎が戻ってこない場合は、歯科矯正で出っ張った歯を列に戻したり、保険診療で歯茎の移植を行ったりする手もあるとか。

どうしても気になる場合は、かかりつけの歯科医師に相談したいですね。

以上、下がった歯茎の原因と歯磨きテクをまとめましたが、いかがでしたか?

美しい笑顔のためにも、歯茎美人を目指してみてください。

治療した歯が虫歯に!原因と予防方法

2020.9.5

札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。

治療した歯が痛み出し、虫歯になったことがありませんか?

平成23年の厚生労働省の調査では、30代で虫歯未経験の人は約1~3%ということがわかっています。

つまり、30代の約90%の人が虫歯になったことがあるのです!

ほとんどの人が虫歯を経験し、何らかの方法で虫歯を治しています。

では一度治療をした歯は二度と虫歯にはならないのでしょうか?

残念ながら答えはNOです。

一度治療した歯も場合によってはまた虫歯になってしまうんです。

みなさんも久々に歯科医院に行った時に以前治療した歯がまた虫歯になっていると言われたことありませんか?

治療した歯が虫歯になる理由

1.詰め物、かぶせ物の劣化
詰め物やかぶせ物の種類によっては時間の経過と共に劣化してしまう物があります。
劣化してしまった部分から虫歯菌が侵入して虫歯が進行してしまいます。
詰め物を選ぶ時はそれぞれの特徴をよく理解してから選ぶことをおすすめします。

2.新しい部分からの虫歯
歯と歯の間など以前治療した部分とは違うところから虫歯ができて、詰め物の下まで拡がっていることもあります。
一度削っている深い部分では虫歯は拡がりやすくなっています。

3.歯と詰め物、かぶせ物の境目
どんなに精密に詰め物やかぶせ物を作っても、歯との間には境目ができます。
日々のケアがおろそかになっているとその境目から虫歯になることがあります。
正しい方法で歯を磨き、歯ブラシ以外の器具も使うことですき間からの虫歯を予防することができます。

4.接着材の劣化
歯と詰め物をくっつけるための接着剤も唾液や咬み合わせの力で弱くなり、目に見えないすき間ができていきます。
接着剤や詰め物の種類もどんどん進化しているので、より歯と密着するものを選ぶことで虫歯の再発を減らせます。

5.歯と詰め物やかぶせ物のすき間、段差
詰め物やかぶせ物の出来が悪かったり、歯や詰め物がかけてすき間や段差ができているのを放置しているとそこから虫歯菌が侵入して虫歯が拡がります。

治療した歯を虫歯にしないために定期検診で予防

治療した歯も再び虫歯になることがありますが、定期的な歯科医院での検診を受けることで治療した歯を長持ちさせることはできます!

1.歯磨きの状態
歯科医師、歯科衛生士がお口の中を見て、治療した歯に問題がないか、磨き残しが多いところや注意して磨かなければ虫歯になってしまうところなどをお伝えします。
毎日のケアの方法を見直すことで虫歯予防につながります。

2.詰め物、かぶせ物があっているか
治療直後はぴったりと合っていた詰め物やかぶせ物も、歯ぐきが下がってしまったりお口の状態の変化で合わなくなっている場合があります。
その場合は虫歯になったり痛みが出る前に再治療をすることをご提案します。

3.歯がかけていないか
寝ている間に歯ぎしりやくいしばりをしている方は、ご自身では気付かないうちに歯がかけていたり、詰め物がかけていることがあります。
そのまま放っておくとかけたすき間から虫歯が拡がっていきます。
かけてすぐに気付ければ小さく治すだけで済むことが多いです。

4.レントゲン写真の活用
定期的にレントゲン写真を撮ることで目には見えない歯と歯の間や、詰め物の下の虫歯を発見することができます。

5.虫歯の早期発見、早期治療
もしも虫歯ができていても、痛みが出る前であれば神経を取らずに治療ができたり、部分的に治すこともできます。

まとめ

せっかくきれいに治療をした歯がまた虫歯になってしまうととても残念ですよね。

私たち歯科医師も確かな知識と技術で治療を行います。

治療したらそこでおしまいではなく、虫歯が再発しないように患者さんと共に虫歯予防をしていくことが治療後の歯を長持ちさせる一番の秘訣でもあるのです。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME