メニュー

札幌 歯周病・予防歯科 | 歯周病専門医・指導医の山崎 英彦 院長ブログ 2019年12月

[2019.12.08]

赤ちゃんへのキスで虫歯がうつる、は本当か?

2019.12.27

札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。

生まれたばかりの愛くるしい我が子。

思わず抱きしめてキスしたくなるが、こんな噂を聞いたことはないだろうか?

「大人に赤ちゃんがキスをすると虫歯がうつる?」と。

これが本当であれば、不用意にキスをするのは避けたいところ。

その真偽や気を付けるべき時期などについて、まとめてみた。

●特に気を付けたい時期は?

ミュータンス菌、いわゆる「虫歯菌」は、歯が生えていない赤ちゃんには本来存在しないもの。

親が虫歯でも子どもに遺伝することはない。

しかし、最初の歯が生え始める3カ月~9カ月頃から虫歯菌の感染リスクが高まり、特に生後18カ月~30カ月前後の間で最も感染しやすくなるといわれている。

この時期に虫歯菌に感染してしまうと、そのまま定着してしまい、生涯にわたって虫歯にかかりやすくなってしまうという研究結果も。

だからこそ、この時期にしっかり子どもの口腔ケアをしてあげることはもちろん、大人から虫歯菌がうつってしまうことがないよう注意する必要がある。

ミュータンス菌はだ液を媒介して感染するため、お箸やスプーンなどを使いまわすのは避けたほうが良い。

また、なるべくキスもしないほうがいいだろう。

たとえ愛情表現のスキンシップであれ、結果的に我が子の健やかな成長を妨げてしまうことになりかねない。

●過去には死亡例も、虫歯以外の怖いキス感染

なお、だ液の移動で感染してしまうのは虫歯菌だけではない。

胃炎や胃がんの発症リスクを高める「ピロリ菌」をはじめ、免疫力が弱い乳幼児は基本的に細菌全般に感染リスクがあると知っておきたい。

海外では生まれたばかりの我が子に母親がキスをしたところ、子どもがHSV(単純ヘルペスウイルス)に感染し、結果、亡くなるという痛ましい事例もある。

大人だと重篤化することはない病気やウイルスでも、赤ちゃんには致命傷になりうる。

過去には、じつの親子でなく、他人の赤ちゃんにキスしたことで口唇ヘルペスがうつり、死亡させてしまったという例もあるようだ。

そうしたとりかえしのつかない事態を避けるためにも、親戚の子どもに、無闇にキスをする行為は慎むべきかもしれない。

赤ちゃんの口の中はデリケート。

しっかり成長するまではキスを我慢するのが、本当の愛情といえそうだ。

重度の歯周病は認知症、脳出血、心筋梗塞の引き金にも

2019.12.19

札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。

世界でいちばん多くの人がかかっている病気としてギネスに載った歯周病は、30~50代で約8割、60代では約9割が罹っているといわれる国民病。

それゆえ、歯周病になってもあまり重く受け止めず、歯茎が赤っぽくなっている程度では気にも留めない人が多いのではないでしょうか。

歯周病は、歯と歯肉の境目の溝に歯周病菌が溜まり、歯肉が炎症を起こしたり、ひどくなると歯を支えている骨が溶け、歯が抜け落ちてしまう病気。

重度の歯周病になると、問題は口の中だけでは済まず、毒素が血管内に侵入し、認知症、脳出血、肺炎、心筋梗塞──私たちの命を奪いかねないそうした病気の引き金となることもあります。

歯周病菌の持つ毒素が血管を傷つけるので、血管がもろくなって出血しやすくなります。

結果、脳梗塞やリウマチになりやすくなります。

また、子宮の収縮を引き起こす物質がつくられるため、妊婦は早産の可能性が歯周病ではない人と比べて7倍高まるといわれています。

食べ物を飲み込むときに歯周病菌が肺に入ってしまい、高齢者に多い誤嚥性肺炎の原因にもなっています。

また、最近の研究では歯周病菌の毒素の影響で、血糖値を下げるインスリンの働きが妨げられることが証明されています。

歯周病を治療すれば糖尿病がよくなることがわかり、かつては不治の病とされた歯周病の治療法について、厚生労働省主導のもと、内科と歯科医が連携して取り組む動きも活発になっています。

重症化した患者さんの場合、歯茎の奥に入り込んでしまった菌を手術で取り除くこともありますが、基本的には歯科医院でクリーニングをし、口内を清潔に保てば改善します。

口の中の菌は3か月で倍に増えるので、定期的に診査、クリーニングし、普段から菌の数を減らしておくことが歯周病の予防になります。

iPS細胞からエナメル質・歯の再生への応用が期待

2019.12.8

札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。

国立大学法人東北大学は、幹細胞が上皮細胞との相互作用により、どのような細胞運命をたどるかを解明する過程で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、エナメル質をつくるエナメル芽細胞の誘導に成功しました。

これは東北大学病院の新垣真紀子医員、歯学研究科の福本敏教授らと、米国国立衛生研究所、岩手医科大学、東京理科大学との共同研究による成果です。

私たちの歯はエナメル質と象牙質よりつくられており、その中でもエナメル質は体の中で最も硬い組織です。

象牙質をつくる象牙芽細胞は歯を形成した後も歯髄の中に存在し続けますが、エナメル芽細胞は、歯が萌出(生える)すると、体の中に存在しなくなります。

このためエナメル芽細胞がどのように分化し機能を維持しているのか明らかでなく、そのメカニズム解明や、これらの細胞を歯の再生に応用する為には、マウスの胎児を利用しなければなりませんでした。

この成果は、今まで困難であったエナメル芽細胞の役割を明らかにすること、さらには歯の再生の為の細胞ソースとして応用可能な新しい技術です。

早く臨床応用されるといいですね。(仕事無くなるかも・・・)

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME